前庭から主庭へと続く細長い空間にいかに奥行と広がりを持たせるかに重点を置きました。既存の3つの灯篭のうち一番大きな春日灯籠を一番奥に配置し、タムケ、サザンカやソヨゴなど、違う葉色、質感を重ねた先にうっすらと灯篭が見えるように意識しました。対角線上に配置した灯篭にほのあかりの揺らぎを入れて、上部空間をやんわりと照らし、飛び石と延べ段で構成された園路はS字を描いて奥に進むと自然石の敷石のテラスへと続いていきます。足元はパススタンドライトを庭全体が明るくならないようにかつ歩きやすいように配置しました。前庭も和風ライトを中心に暖かい色を心がけました。スポットライトを用いたシャドーライティングも好評です。日々の生活の中、歩みを進めるたびに違う視点から風景が切り取られ、四季の移ろいを感じていただければと思っております。

使用部材